臨床成績

プラセボ対照二重盲検比較試験
(国際共同第III相試験 PATENT-1試験)

アデムパス®用量調節群は主要評価項目(6分間歩行距離)において、プラセボ群に比べ有意な改善が認められました(12週間後) (PATENT-1)。

主要評価項目(6分間歩行距離)による試験評価 (12週後)

主要評価項目(6分間歩行距離)による試験評価 (12週後)

ITT解析による評価、SE:標準誤差
※層別因子及び国/地域を層とした層別Wilcoxon検定

帰属値=治験を完了あるいは中止した被験者について、第12週までの最終測定値(安全性追跡来院を含まない)で補完した値。ただし、死亡・臨床的悪化で中止来院がなかった、あるいは中止来院時の測定値がなかった場合は最悪値で欠測値を補完した。

Ghofrani HA et al. N Engl J Med. 369, 330(2013)より作図
本研究はBayer社の資金により実施された、著者にBayer社員(3名)を含む、著者にBayer社より講演料等を受領している者を含む。
承認申請時評価資料

アデムパス®用量調節群はプラセボ群と比較し、WHO機能分類を改善した患者の割合が高いことが確認されました(PATENT-1)。

WHO機能分類の12週後におけるベースラインからの変化量

WHO機能分類の12週後におけるベースラインからの変化量

ITT解析による評価

WHO機能分類のクラスが1段階以上改善した場合を「改善」、変化しなかった場合を「不変」、1段階以上悪化した場合を「悪化」と分類した。投与群間の比較のための検定には、クラスの変化量(治験終了時のクラス-開始時のクラス)を用いた。

※層別因子及び国/地域を層とした層別Wilcoxon検定

Ghofrani HA et al. N Engl J Med. 369, 330(2013)より改変
本研究はBayer社の資金により実施された、著者にBayer社員(3名)を含む、著者にBayer社より講演料等を受領している者を含む。
承認申請時評価資料

アデムパス®用量調節群はPVR、NT-proBNP、mPAP、COにおいて、プラセボ群に比べ有意な改善が認められました(12週間後)(PATENT-1)。

アデムパス(R)用量調節群はPVR、NT-proBNP、mPAP、COにおいて、プラセボ群に比べ有意な改善が認められました(12週間後)(PATENT-1)

Ghofrani HA et al. N Engl J Med. 369, 330(2013)より作図
本研究はBayer社の資金により実施された、著者にBayer社員(3名)を含む、著者にBayer社より講演料等を受領している者を含む。
承認申請時評価資料

すべての有害事象発現率は、アデムパス®用量調節群で89.4%(227/254例)、プラセボ群で85.7%(108/126例)、アデムパス®探索的用量群で92.1%(58/63例)でした。

12週後における主な有害事象

Alt tag
 凳現例数(現率%)
アデムパス用量調節群
(n=254)
プラセボ群
(n=126)
アデムパス・探索的
用量群(n=63)
全事象227 (89.4)108 (85.7)58(92.1)
頭痛69 (27.2)25(19.8)20(31.7)
消化不良48(18.9)10(7.9)8(12.7)
末梢性浮腫44(17.3)14(11.1)14(22.2)
恶心40(15.7)16(12.7)10(15.9)
浮動性めまい40(15.7)15(11.9)15(23.8)
35(13.8)13(10.3)6(9.5)
嘔吐26(10.2)11 (8.7)7(11.1)
鼻咽頭炎26(10.2)14(11.1)6(9.5)
低血压25 (98)3(2.4)2(3.2)
貧血21 (8.3)3(2.4)1(1.6)
動悸20(7.9)6(4.8)5(7.9)
胸痛18(7.1)11(8.7)4(6.3)
呼吸困難16 (6.3)14(11.1)4(6.3)
胃食道逆流性
疾患
14(5.5)4(3.2)4(6.3)

安全性解析対象集団/治験薬投与下
アデムパス®用量調節群で発現率が5%以上の事象を抜粋
MedDRA version 15.0

なお、重篤な有害事象発現率は、アデムパス®用量調節群で11.4%(29/254例)、プラセボ群で18.3%(23/126例)、アデムパス®探索的用量群で17.5%(11/63例)でした。
このうち、治験薬と関連のある重篤な有害事象はアデムパス®用量調節群で8例(3.1%)、プラセボ群で5例(4.0%)、アデムパス®探索的用量群で2例(3.2%)に認められ、アデムパス®用量調節群では、失神が3例(1.2%)、肝酵素上昇、浮動性めまい、失神寸前の状態、急性腎不全、低血圧がそれぞれ1例(0.4%)、プラセボ群では、失神、失神寸前の状態、下痢、呼吸困難、肺動脈性肺高血圧症が1例(0.8%)、アデムパス®探索的用量群では、胃炎、吐血が1例(1.6%)でした。

Ghofrani HA et al. N Engl J Med. 369, 330(2013)より改変
本研究はBayer社の資金により実施された、著者にBayer社員(3名)を含む、著者にBayer社より講演料等を受領している者を含む。
承認申請時評価資料

プラセボ対照二重盲検比較試験 (国際共同第III相試験 PATENT-1試験)の概要

プラセボ対象二重盲検比較試験 (国際共同第III相試験 PATENT-1試験)の概要

PAH(pulmonary arterial hypertension):肺動脈性肺高血圧症
PVR(pulmonary vascular resistance):肺血管抵抗
TID:1日3回
NT-proBNP:ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント
†探索的用量群は比較対照群ではないため、有効性評価項目における単独群の結果は記載していない。

※ 用量調節時の指標として用いる収縮期血圧について、第Ⅲ相試験ではその基準値を“95mmHg以上”、“90~94mmHg”及び“90mmHg未満”に分けたが、[承認用法・用量]では日常臨床においてより実用的なものにす るため、“95mmHg 以上”と“95mmHg 未満”の2つに分けた。
6. 用法及び用量
用量調節期
通常、成人にはリオシグアトとして1回1.0mg 1日3回経口投与から開始する。2週間継続して収縮期血圧が95mmHg以上で低血圧症状を示さない場合には、2週間間隔で1回用量を0.5mgずつ増量するが、最高用量は1回2.5mg 1日3回までとする。収縮期血圧が95mmHg未満でも低血圧症状を示さない場合は、現行の用量を維持するが、低血圧症状を示す場合には、1回用量を0.5mgずつ減量する。
用量維持期
用量調節期に決定した用量を維持する。用量維持期においても、最高用量は1回2.5mg 1日3回までとし、低血圧症状を示すなど、忍容性がない場合には、1回用量を0.5mgずつ減量する。

Ghofrani HA et al. N Engl J Med. 369, 330(2013)より改変
本研究はBayer社の資金により実施された、著者にBayer社員(3名)を含む、著者にBayer社より講演料等を受領している者を含む。
承認申請時評価資料